Men’s Underwear Materials

男性下着の素材について

私たちが毎日身に着ける「アンダーウェア」は、ただのファッションアイテムではありません。
肌に一番近い存在だからこそ、その素材には“快適さ”と“信頼性”が求められます。

LUCANOR(ルカノール)では、Cotton(コットン)やLycra(ライクラ)、Tencel(テンセル)など、さまざまな繊維を使った男性下着を取り揃えています。これらの素材は、それぞれが持つ特性によって履き心地や機能性に大きな差が生まれるため、下着選びにおいて非常に重要なポイントとなります。

しかし、これほど多様化している素材を一般の方が見分けるのは、正直なところ簡単ではありません。「コットンって全部同じじゃないの?」「テンセルって何?」――そんな疑問を感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

そこでこのページでは、LUCANORがセレクトする下着に使われている主な繊維素材について、それぞれの特徴や使われ方、メリット・デメリットをわかりやすくご紹介します。素材を理解することで、自分の肌やライフスタイルにぴったりの下着を選べるようになります。

“何となく”で選んでいたアンダーウェアが、素材を知ることで“自分のこだわり”に変わる。
そんなきっかけになれば嬉しく思います。

コットン(綿)

Cotton

天然由来のやさしさと、使いやすさを兼ね備えた王道ファブリック。
コットンは、アオイ科の植物「ワタ」の種子から採れる天然繊維で、人類最古の繊維素材のひとつとして知られています。紀元前3000年のインドや、アメリカ先住民の文化にも登場するほど古い歴史を持ち、18世紀の産業革命以降、世界中に普及しました。繊維の断面に空気を含みやすい構造を持つため、通気性と吸湿性に優れ、蒸れにくいのが特徴。綿はその重量の約20%もの水分を吸収しても、肌にはほとんど湿り気を感じさせません。また、柔らかくて肌に優しく、フェルト化(縮みや毛羽立ち)もしにくいため、日常使いにぴったりです。さらに洗濯耐性や耐久性も高く、清潔に保ちやすいのも魅力。敏感肌の方や、素材にこだわりたい方にも支持される定番素材です。

代表的なコットン
スイスコットン:高級綿を使い、スイスの特別な条件のもとで作られ、弾力性のある綿。
エジプト綿:エジプトナイル川近くで採れる綿で昔から高級綿の代名詞となっている。
カリフォルニア綿:アメリカはカリフォルニア地方で生産される綿の総称。着心地、光沢、型の保持力に優れニット用として多く使われている。
メリット
肌触りがよく涼しい。吸水性に富み、熱に強くて丈夫。染色性や発色性に優れている。
デメリット
縮みやすい。シワになりやすい長時間日光にあたると黄変しやすい。

リネン(麻)

Linen

涼しげな肌触りとナチュラルな質感が魅力の、古代から愛される天然繊維。
リネンは、亜麻(フラックス)という植物の茎から採れる繊維で、チグリス・ユーフラテス川流域における紀元前8000年の文明にすでに存在したとされる、人類最古の繊維素材のひとつです。現在の主な産地は、フランス北部やベルギー、ロシア、東欧諸国、中国地方など、比較的冷涼な地域に広がっています。リネンの特徴は、シャリっとした独特の清涼感と、さらりと軽い肌触り。吸湿性・速乾性に優れ、汗をかいてもベタつかず、真夏でも快適な着心地をキープします。また、使い込むほどにやわらかくなり、天然素材ならではの風合いの変化も楽しめます。自然な光沢を持ち、色味は白や淡い黄色、象牙色、麦わら色など、素朴で上品なナチュラルトーンが特徴。通気性と清潔感を重視する下着やインナーに適しており、涼しさを求める季節に特におすすめの素材です。

代表的なリネン
アイリッシュリネン:摩擦に強く丈夫なので、洋服といった衣料品だけでなくバッグなどの素材としてもよく使われています。肌に着かず,涼感とソフトな風合いが特徴。
フレンチリネン:風通しが良く、肌触りも良い高品質のリネン素材。ずっと触っていたくなるほど優しくやわらかな肌触りと、長く着るほどに肌に馴染むのが特徴です。
メリット
通気性が良く、水分の吸湿や発散性に優れているため、清涼感がある。シャリ感がある。水に濡れると強くなる。
デメリット
シワになりやすく、摩擦で毛羽立ちやすい。保湿に乏しい。濃い色は白けやすい。

シルク(絹)

Silk

真珠のような光沢と極上の肌触りを持つ、自然が生んだラグジュアリー素材。
シルクは、蚕(カイコ)の繭から作られる動物性天然繊維で、古来より「最も美しい繊維」として人々に愛されてきました。蚕が幼虫から成虫になる過程でつくる繭は、外敵や気候から身を守るための繊細な殻。その繊維は人間の皮膚と同じタンパク質(フィブロイン)から構成されており、「第二の肌」とも呼ばれるほど肌との相性に優れています。シルクは、軽やかでなめらかな質感と、自然に生まれる光沢が魅力。触れるたびにやさしく肌に寄り添い、通気性・保湿性・吸湿性をバランスよく兼ね備えているため、夏は涼しく冬は暖かいという快適性も兼ね備えています。また、湿潤時でも強度を保ち、日常使いにも耐える実用性を持っています。単独でも高級素材として使用されますが、コットンやリネン、ウール、ビスコースなどとブレンドすることで、それぞれの良さを活かした素材展開も可能。肌に寄り添う上質な下着や、特別な日の一枚として選ばれることの多い素材です。

メリット
美しい光沢がある。ドレープ性が特徴肌触りが良い風合が良い。保温性・保湿性・発散性に優れている。
デメリット
シミになりやすい。酸やアルカリに弱い。水に濡れると縮みやすい。汗・雨に弱く鮮やかな色ほど色落ちしやすい。熱に弱い。害虫を受けやすい。

レーヨン

Rayon

天然のなめらかさと美しいドレープを持つ、しなやかで繊細な再生繊維。
レーヨンは、木材パルプなどに含まれる天然のセルロース(植物由来の成分)を化学的に再構成して作られる再生繊維です。19世紀末に誕生し、最も早く開発された人工繊維としても知られています。化学的に加工されていますが、原料は自然由来であるため、合成繊維とは一線を画すやわらかな風合いが魅力です。特徴は、シルクのように滑らかで、しなやかに流れるドレープ性。肌にやさしくフィットし、光沢感や発色性も高いため、上品でエレガントな印象を演出できます。また、吸湿性にも優れており、さらりと快適な着心地が続きます。ただし、濡れると強度が低下する性質があるため、お手入れにはやや注意が必要。現在では、より耐久性や機能性を高めた「モダール」や「リヨセル(テンセル)」といった派生素材も人気を集めています。

メリット
吸湿性・吸水性が良い。光沢があり着心地が優れているドレープ性がある。染色性が良い。
デメリット
水に濡れると強度が半分ぐらいに低下する。洗濯で縮みやすい。シワになりやすい。摩擦に弱い。水ジミができやすい。

モダール

Modal

極細繊維が生む、シルクのようななめらかさと上品な光沢。
モダールは、木材パルプから作られる再生セルロース繊維で、レーヨンの進化系とも言われる素材です。特にモダールは、ブナの木を原料に使用することで、繊維の品質が安定し、より繊細で均一な仕上がりになります。その最大の魅力は、極上の肌触りとやわらかなドレープ性。きめ細やかな繊維が肌にやさしく沿い、シルクのような光沢と落ち感のある仕立てを実現します。また、吸湿性と放湿性に優れており、ムレにくく快適な着用感が持続。保温性もあるため、季節を問わず使えるのも特長です。モダールは単独でも十分に美しい風合いを持ちますが、コットンやスパンデックスなどとの混紡でも高い性能を発揮。ラグジュアリーな肌着やリラックスウェアに最適な素材として、多くのファンに支持されています。

メリット
絹のような光沢湿気を吸い取る。乾燥した時は、湿気を出す。ほとんど縮みがない。水洗いが出来る。
デメリット
洗濯で縮みやすい。シワになりやすい。摩擦に弱い。水ジミができやすい。

マイクロファイバー

Microfiber

極細繊維が生み出す、しなやかで軽やかな快適素材。
マイクロファイバーは、ポリエステルやポリアミド(ナイロン)、ビスコースなどを原料にした超極細の合成繊維です。一般に、繊維の太さを示す単位「dtex(デシテックス)」で1dtex未満の細さを持ち、髪の毛の1/100以下という驚くほど繊細な糸からできています。この細さが、しっとりとなめらかな肌触りと、柔らかく包み込むようなフィット感を実現。軽量で通気性も高く、長時間の着用でも蒸れにくく快適な状態をキープします。さらに、吸水速乾性にも優れており、アクティブシーンや汗をかきやすい時期の下着に最適です。光沢感や伸縮性のある仕上がりにも対応できるため、機能性とデザイン性を兼ね備えた下着素材として広く活用されています。

メリット
高い吸水性と速乾性がある。軽くて保温性に優れ、肌触りが滑らかな。
デメリット
熱には弱い。耐久性が低い。柔らかい漆素材などの製品を磨くと傷を付けてしまう事もある。

アセテート

Acetate

シルクのような艶と軽やかさを兼ね備えた、洗練された再生繊維。
アセテートは、木材パルプなどに含まれるセルロースに酢酸を加えて化学処理した半合成繊維(セルロース系再生繊維)です。天然由来の原料を用いながらも、合成繊維の扱いやすさを併せ持ち、再生繊維と合成繊維の中間に位置する素材として親しまれています。その魅力は、シルクに似た美しい光沢と、なめらかでしなやかな肌触り。生地は軽く、体の動きに合わせて優雅に揺れるドレープ性があり、着用時のシルエットにも上品さを与えます。また、静電気が起きにくく、まとわりつかない快適な着心地も特長です。発色性に優れ、染色やプリントが映えることから、デザイン性の高い下着やラウンジウェア、リラックス系アイテムにも多く使用されています。

メリット
吸湿性がよく、裏地に使用しても静電気が発生しにくい。円形断面の繊維などで滑りが良くて、絹のような光沢がある。強度もあり、縮みにくい。
デメリット
シンナー・除光液などに溶ける窒素酸化ガス(ストーブや自動車の排気ガス)によって変退色をすることがある。

テンセル/リヨセル

Tencel / Lyocell

自然由来のやさしさと、快適性を兼ね備えたサステナブルファブリック。
テンセル(TENCEL™)は、ユーカリなどの持続可能な森林資源から採れる木材パルプを原料とする再生セルロース繊維で、一般名称ではリヨセルと呼ばれます。クローズドループと呼ばれる環境負荷の少ない製造工程で作られるため、地球にやさしいエコ素材として注目されています。シルクのようななめらかな肌触りと自然な光沢があり、吸湿性・放湿性に優れているため、肌に触れる下着素材としても理想的。汗をかいてもべたつかず、常にさらりと快適な着用感が続きます。さらに、抗菌性にも優れており、ニオイを抑えやすいという特長も。高感度なライフスタイルを求める人に選ばれる、新時代のスタンダード素材です。

メリット
高い吸湿性と速乾性で蒸れにくい。肌触りがとてもなめらかで敏感肌にも安心。抗菌性があり清潔感をキープ。環境に配慮したクリーンな製造工程(クローズドループ製法)。
デメリット
シワになりやすい特性がある。コストがやや高めで高級ラインに多く使用される。

バンブー(竹繊維)

Banboo

天然の抗菌性と通気性を備えた、エシカル志向の再生繊維。
バンブーは、竹を原料に作られる再生セルロース繊維で、近年注目を集めているサステナブル素材のひとつです。竹は成長が早く、農薬や化学肥料をほとんど必要としない環境負荷の低い植物であるため、持続可能なライフスタイルを意識する人々に選ばれています。繊維としての特長は、優れた吸湿性・通気性に加え、天然の抗菌・防臭性を備えていること。汗を素早く吸い取り、肌をドライに保ちながら、菌の繁殖を抑える効果も期待できます。さらに、肌にやさしいなめらかな手触りと、ほんのりとした光沢感があり、見た目にも上質な印象を与えます。夏場や湿度の高い時期、デイリーで清潔さと快適さを求める方に最適な素材です。

メリット
抗菌・防臭効果が天然由来で持続性が高い。吸湿性・通気性に優れていて快適。環境負荷の少ない再生可能素材。肌触りが柔らかく、敏感肌にも適している。
デメリット
強度や耐久性がやや劣る場合がある。特殊な処理を伴うため、製品によって肌触りに差が出ることがある。

ポリエステル

Polyester

高い速乾性と耐久性を誇る、アクティブウェアに最適な高機能繊維。
ポリエステルは、石油由来の原料をもとに化学的に合成される合成繊維で、世界で最も広く使われている繊維のひとつです。1950年代にアメリカのデュポン社が「ダクロン」の名で本格的な工業生産を始めて以来、しわになりにくく、お手入れが簡単な繊維として、日常の衣類からスポーツウェアまで幅広く普及してきました。最大の特長は、優れた速乾性と形状保持性、そして高い耐久性。汗を素早く外に逃がし、乾きも早いため、アクティブなシーンや洗濯頻度の高いアイテムに最適です。さらに、軽量で伸縮性を加えやすく、混紡次第でさまざまな機能を付加することも可能。肌触りは比較的さらっとしており、通気性や清潔感を重視するスポーツ系下着や機能性インナーとの相性も抜群です。

メリット
シワになりにくい。型崩れしにくい。非常に強い。丈夫である。乾きが早い。
デメリット
吸湿性が少ない。静電気が起きやすい。汚れると落ちにくい。

ナイロン/ポリアミド

Nylon / Polyamide

薄くて軽いのに強靭。しなやかさと耐久性を兼ね備えた万能合成繊維。
ナイロン(ポリアミド)は、1935年にアメリカで開発され、世界初の合成繊維として登場しました。ほぼ同時期にドイツでも「パーロン」の名で製造されるなど、機能性衣類に革命をもたらした画期的な素材です。現在では「タクテル」や「メリル」などのブランド名でも知られています。特長は、非常に高い耐久性と軽さ、そしてしなやかさ。破れにくく、擦れにも強いため、日常使いはもちろんアクティブなシーンにもぴったりです。さらに、伸縮性や形状保持力にも優れ、シワになりにくく、洗濯後も乾きやすいため、お手入れも簡単です。肌触りはさらっとしており、薄手でもしっかりとした着心地を感じられるのが魅力。通気性や速乾性も高く、機能性と軽やかさを求める下着やインナーに適した素材です。ただし、高温にはやや弱いため、乾燥機などの熱処理には注意が必要です。

メリット
非常に強い弾力に富む。織物にしてもシワになりにくい。薬品・カビ・害虫に強い。
デメリット
吸湿性が少ない。静電気を発生しやすい。日光やガスにより黄変する。熱に弱い。

スパンデックス/エラスタン

Spandex / Elastane

圧倒的な伸縮性で、動きやすさとフィット感を両立するサポート素材。
スパンデックス(別名:エラスタン)は、1959年にアメリカのデュポン社によって「ライクラ」の商標名で商品化された高機能な合成繊維です。通常の繊維の6〜8倍まで伸び、緩めるとすぐに元の形に戻るという、優れた伸縮性と弾性回復性を持っています。その特性から、動きやすさと体へのフィット感を高める補助的素材として、多くの繊維と混紡されます。破れにくく耐久性があり、洗濯や速乾性にも優れているため、スポーツ用下着やボディラインを美しく見せるフィット系アイテムに広く使用されています。単独で使われることはほとんどなく、コットンやナイロン、ポリエステルなどと混ぜることで、快適性と機能性をバランスよく補強できる点が最大の魅力です。

メリット
伸縮性が大きい強くて丈夫。(ゴムよりはるかに強く、老化しにくい性質を持っている)ゴムより細い糸ができる糸が軽い。
デメリット
摩擦に弱い。合成皮革は表面がはがれたり、風合が変化しやすい。(2~3年)紫外線の影響で黄変することがある。塩素に弱い。

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