2025.05.07
ブランド
2025年5月、ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催された世界最大級のファッションイベント「Met Gala®(メットガラ)」のテーマは、「Superfine: Tailoring Black Style」。ブラックカルチャーとテーラリングの関係性を掘り下げる展覧会に合わせて、今年のドレスコードは「Tailored for You(あなたのためのテーラリング)」とされた。これは、モニカ・L・ミラーによる著書『Slaves to Fashion』に着想を得たものだ。
この特別なテーマに呼応し、BOSSはブランドの中核であるテーラリング技術を最大限に表現したカスタムルックを制作。グローバルアンバサダーであるエスクプスをはじめ、アシュリー・グラハム、カビー・ラメ、アルトン・メイソン、キース・パワーズの5名が、それぞれの個性に合わせたオーダーメイドの装いで登場した。
ヒューゴ ボスのクリエイティブディレクション兼シニア・ヴァイス・プレジデント、マルコ・ファルチョーニは次のように語る。
「BOSSにとってクラシックなテーラリングは創業以来の精神です。『Tailored for You』というドレスコードは、まさに我々の哲学に通じるもの。着る人との対話を重ね、唯一無二のルックを仕立てることで、個性とスタイルの融合を実現しました。」
エスクプス(SEVENTEEN)
韓国の伝統衣装「チョゴリ」にインスパイアされたグレーのイタリアンウールフランネルを用いたカスタムルックで登場。ローブ風のコートは、プリーツやドレープ、トーンの異なる裏地が印象的で、韓服と西洋テーラリングの融合が光るデザイン。スタンドカラーのシャツとウールブーツで仕上げた装いは、クラシカルでありながらモダンな風格を放った。
アシュリー・グラハム
90年代のBOSSパワースーツを再解釈したドレスで登場。オーバーショルダーと構築的な胸元、リバースラペル、深Vネックなどが力強さと曲線美を融合させている。グレーストライプウールで仕立てたビスチェがウエストを引き締め、砂時計のようなシルエットを形成した。
カビー・ラメ
アーカイブにインスパイアされたグレーピンストライプのスリーピーススーツで、クラシックと遊び心を融合。ダブルブレストのブレザーとアンティーク懐中時計付きのベストが目を引き、ヴィンテージと現代性が絶妙に調和した。ピンクのトレンチコートやフェドラハットも加わり、華やかかつユーモラスなスタイルに仕上がった。
アルトン・メイソン
フルレングスのブラックケープで登場後、スパンコールとクリスタルに覆われたアニメ風ジャケット姿へと変身。ハート型のカットアウトやボクシーなショルダー、ローウエストのブーツカットパンツが、80年代ポップスターを彷彿とさせるルックを構築。未来的な輝きとファッションアートの融合を体現した。
キース・パワーズ
ワイドレッグのチェック柄ウールトラウザーに、クロップド丈のスリムブレザーを合わせたモダンな装い。ストライプシャツやドットタイを組み合わせることでパターンの遊びも取り入れた。クリームカラーのヒールブーツがエレガンスを引き立てている。
そのほか、ヒューゴ ボスCEOのダニエル・グリーダーと妻のルイーズ・カムート・グリーダー、コメディアンのジェームズ・コーデンとその妻ジュリア・キャリーも、BOSSのカスタムルックでこの一夜限りのイベントに華を添えた。