2026.02.24
ニュース

「派手な衣装」でも「過剰な演出」でもない。
2026年グラミー賞でジャスティン・ビーバーが選んだのは、ボクサーパンツ+ソックスという、ほとんど“引き算だけ”のルックだった。
結果、ステージはどうなったか。
答えはシンプルで、下着が衣装になった瞬間、ファッションはコンセプトになる——それを世界最大級の舞台で証明してみせた。
ビーバーはグラミー賞2026のステージで、2025年のアルバム『Swag』収録曲「Yukon」をパフォーマンス。衣装は、報道によれば自身の新ファッションブランド「SKYLRK」のカスタム(サテン/シルクと表現差あり)ボクサーパンツに、黒ソックスという構成でした。
演出も同じく“削ぎ落とし”。ループペダルを使いながら、少ない機材と動きで曲を立ち上げ、衣装のミニマルさとステージ設計が一直線でつながる見せ方。
しかもこの“ほぼ下着”ルック、当初からの計画ではなく、直前に決まったとグラミー側のエグゼクティブ・プロデューサーが語っています。
同じ夜、レッドカーペットでのビーバーはオーバーサイズのBalenciagaスーツに、Lorraine Schwartzの大ぶりジュエリーという“重め”の黒。妻ヘイリーはブラックのAlaïaドレスで並び、全身の温度感はむしろクラシック寄り。
ここがポイントで、
「外(レッドカーペット)はフォーマル最大、内(ステージ)はフォーマル最小」
この落差が、そのまま“ニュースとしての強度”になった。
1) “Underwear-as-outerwear”を、男側からアップデート
下着を服として見せるのは新しくない。でも今回の面白さは、露出のためではなく、シルエットと素材でラグジュアリーに寄せたこと。GQは“シルクのボクサー”として取り上げ、SKYLRKの下着ラインを最大視認で見せた点も指摘しています。
2) 「体」そのものをスタイリングに変える
上半身を隠さないことで、タトゥーや肌の質感が“柄”になる。
つまりこの夜のプリントは、ロゴでもグラフィックでもなく、本人の身体。Peopleも“腹筋とタトゥーが強調された”として報道しています。
3) “引き算”が成立する条件=色設計がある
ボクサーが紫系(サテン)と報じられ、ギターの色ともリンクした点が重要。要素を減らすほど、色の一貫性がコンセプトを支える。
今回の“ボクサーパンツ一枚”が単なる宣伝に見えなかったのは、SKYLRKを「買ってほしい商品」として押し出すのではなく、ステージ上に世界観(=ストーリー)として置いたから。視線は「何を着たか」よりも「なぜ、それしか着ないのか」に向かい、衣装が“コンセプト”へと変換されました。さらにこのミニマルさは見た目だけではなく、MusicRadarが報じたようにギターやMPCなど機材面まで含めて“削ぎ落とし”を徹底。音の作り方まで軽量化して「生っぽさ」を取りにいったことで、ルックの必然性が強まったのです。加えて、複数部門ノミネート(「Yukon」も注目曲)という背景が“復帰ムード”を後押しし、奇抜さではなく「再登場の宣言」として成立した——この3点が噛み合ったのが、今回の説得力でした。
ボクサーパンツ姿が話題になったのは、刺激が強いからじゃない。
“引き算のラグジュアリー”がいまの空気に刺さったから。
・外=Balenciagaの黒で格を作る
・内=SKYLRKの下着でルールを壊す
・演出=ループ中心で音までミニマルにする
この三点が揃ったことで、あの夜のビーバーは「奇抜」じゃなく「コンセプト」になった。