2025.03.31
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2025年、Bad Bunny(バッド・バニー)にとってはまさに絶好調の年だ。プエルトリコ出身のアーティストであり、俳優、デザイナー、活動家、さらにはプロレスラーとしても活躍する彼は、この数カ月でさらなる高みに到達している。
最新アルバム『Debí Tirar Más Fotos』ではプエルトリコ音楽の伝統を深く掘り下げ、彼のキャリアの中でも特に高い評価を得ている。アルバムのプロモーションでは、ジミー・ファロンと共にニューヨークの地下鉄に登場したり、「Hot Ones」に出演して途中でギブアップしつつもインタビューを続けたりと、話題に事欠かない。
そんな中、彼が新たに抜擢されたのは、カルバン・クラインの2025年春のアンダーウェアキャンペーン。伝説的フォトグラファー、マリオ・ソレンティによって撮影された今回のキャンペーンには、これまでにジェレミー・アレン・ホワイト、ジャスティン・ビーバー、ジェレミー・ポープ、そしてマーク・ウォールバーグらが登場しており、Bad Bunnyもその名を連ねることとなった。
カルバン・クラインの広告には、モデルたちが高いフィットネス基準を求められることでも知られているが、Bad Bunnyもその期待に応えるべく、徹底したトレーニングに取り組んでいたという。GQのインタビューでは、「このキャンペーンのために体づくりに集中して、できる限りベストな状態を目指しました。食事は徹底的にクリーンにして、可能な限りトレーニングをしていたんです」と語っている。
しかし、最も大変だったのはその食事制限。撮影準備の真っ只中には、ちょうどニューヨークでアルバムのプロモーションも行っており、「ニューヨークは大好きな“外食の街”なので、誘惑が多すぎました」と明かす。
今回のキャンペーンにおいても、彼は自分らしさを表現することにこだわった。その答えが「音楽」だった。新作アルバム『Debí Tirar Más Fotos』がプエルトリコの文化に焦点を当てていることから、キャンペーン映像には収録曲「EoO」が使われている。伝統あるブランドの大舞台を通じて、自らのルーツに敬意を示す演出となった。
「影響力を持つために一番大切なのは、本物であること、誠実であること、そして自分自身の最高の姿を見せること。それこそがこのアルバムのテーマなんです」と彼は語る。
この信念は、2025年に彼が立ったあらゆるステージにも通じている。中でも最も注目を集めたのが、SNL50でのパフォーマンスだった。彼はこの舞台を特別なチャンスと捉え、コンセプトを綿密に構想。「今年初めからずっと強調しているテーマ──自分の文化、プエルトリコの音楽──をそのまま貫きました。“Los Sobrinos”を世界に紹介し、プエルトリコの才能をアピールするのに完璧な舞台でした」と振り返る。
そして撮影が終了したその瞬間、彼の頭にあったのはただ一つ。「とにかく“Lala”の全メニューを食べ尽くしたい気分でした」と笑いながら語る。「特に食べたかったのは、マンチェゴのクロケタとクリスピー・ツナライスでしたね」。